前項ではツアーナースの仕事が決まってから、事前打ち合わせまでの流れをご説明しました。
本項ではツアーナース当日の動きと仕事内容について、経験を踏まえながらお話したいと思います。
ツアーナースって具体的にどんなお仕事?~添乗当日編~
この日も絶対遅刻厳禁!
いまだにこのソワソワ感が慣れません…(笑)
1)指定された集合場所に向かいましょう!
基本的に集合場所は学校か、駅、空港のどれかになると思います。
●学校集合/学校出発の修学旅行・林間学校の場合
学校に集合時間の5〜10分前には着くようにしましょう。
まず、事前打ち合わせでお会いしていない先生方に挨拶を行います。
生徒が集まり次第、【出発式】が始まりますが出発式までの流れはその時々で違います。
保健室で待機したり、生徒の出欠確認を任されることもあります。
出欠確認を任される場合は、常用している内服薬や常備薬を預かったり、保護者から薬の説明を受けたりします。
(特に小学校の林間学校や特別支援学級の添乗の場合が多い。)
●学校以外に集合する修学旅行の場合
関東圏の場合、東京駅か羽田空港or成田空港に集合することがほとんどだと思います。
駅や空港集合の場合は『◯◯カウンター前集合』とか『改札を出て左手にある広場に集合』とか…表現が曖昧だったりするので、少し早めに行くことをお勧めします。
2)出発式で自己紹介
学校で行われる出発式の場合、校長先生の挨拶ののち、同行する先生方、看護師、ツアー会社の添乗員、同行カメラマンの紹介があります。
(添乗員とカメラマンは同行しないこともあります。)
ここで、一言挨拶をしなければなりません。
保護者もたくさん見送りに来られているので、少々緊張します( ;∀;)
ちなみに駅や空港集合の場合は、一般の方が行き来する中で出発式が執り行われるため、騒音のに負けないよう声を張り上げて自己紹介します(笑)
おそらくここで話す挨拶の内容や長さは添乗する看護師やその時の雰囲気によると思います。。。
カッコいい挨拶で生徒の心を掴めたらいいのですが、私は口下手なので、いつもサラッと二言くらいで終えちゃいます(^^;
小学生相手の場合はとにかく分かりやすくやんわりと。
高校生相手のときは当たり障りない定型文っぽく。
『本日から皆さんと一緒に旅行に同行させていただきます看護師の◯◯◯と申します。体調に不安を感じたり、何か困ったことがあればいつでも声をかけて下さいね。』
みたいなフレーズで、たまに追加であと1言2言足したりするときもあれば、名前だけの自己紹介で終えたりと、その場の雰囲気で臨機応変にやってます。。。
個人的には添乗のお仕事でこの挨拶が一番キライ!笑( ;∀;)!
3)移動方法別よくあるトラブルまとめ
いよいよお仕事スタートです。
バス移動、新幹線移動、飛行機移動と移動方法によって状況が変わってくるのですが、移動方法別によくあるトラブルと対応方法をいくつか挙げておきたいと思います。
●バス移動
主に小学生の修学旅行/林間学校にバス移動が多いです。
バス移動で避けられないのが、【バス酔い】。。。
出発して数分で車酔いする生徒が多発。そして結構みんな派手に嘔吐します。
救急バッグ内のナイロン袋とウェットティッシュは、常にすぐ取り出せるようにしておきましょう!
車酔いしたら…リクライニングを倒し、ズボンやスカートの締め付けを緩めて楽な姿勢をとる!
深呼吸を促す。(可能なら)窓を開けて、外気に触れさせる!
これくらいしかできることがありません(^^;
あとは酔い止めを持参していたら内服させる!
学校によっては全くナイロン袋を準備してしてくれていない場合があるので、ナイロン袋とウェットティッシュは少し余分に持参すると良いと思います。
あと、小学校の修学旅行で多いのが【初経】です。
慣れない環境での不安や緊張、気持ちの高まりなどによって初潮を向かる生徒や突然生理になる生徒が多いです。
救急バッグに1つ2つ入ってることが多いですが、こちらもたまに入っていないことがありナプキンも余分に持って行っています。
●新幹線移動
バス移動ほど多くはないですが、新幹線でも酔う生徒が数人います。
新幹線移動は中高生が多く、自主的にトイレで嘔吐している場合がほとんど。
たまに座席で真っ青になっている生徒もいるので、その時はナイロン袋片手にしばらく寄り添って、背中を摩ったりもします。
●飛行機移動
主に私立中学や高校の修学旅行に多いです。
機内でも乗り物酔いや気圧の変化による耳痛など訴える生徒がいます。
初めて飛行機に乗る生徒も少なくありません。
ただ、機内で体調不良になった場合、基本的にはナースは積極的に動きません。
シートベルト着用サインが消えている時ならば、様子を伺いに行くくらいはしますが、機内では常時シートベルト着用が義務。
狭い機内で動きすぎるのは危険です。
機内での体調不良の場合はCAさんに相談、対応を依頼するのが一番です。
機内の応急対応のプロフェッショナルですから!
救急バッグの機内持ち込みには注意!
過去に海外への修学旅行に添乗した際、先生から救急バッグは機内に持ち込んでほしいとお願いされることがありました。
しかし、救急バッグにはピンセットやハサミ、アルコール、100cc以上の消毒液など機内に持ち込めない物も入っています。
事前に気がついたので、先生に説明して預け荷物にしましたが、そのまま荷物検査に行っていたら全部没収されていましたw
そのときは救急バッグから必要最低限の酔い止め、胃薬、絆創膏などを取り、手荷物で持参しました。
(ピンセットやハサミは私のスーツケースの中に…w笑w)
たまにこんな↑トラブルもあるのでご参考までに^^
4)旅行先での対応
これも色々なパターンに分かれます。
①生徒は観光に出かけて、看護師はホテルで待機するパターン。
②生徒と一緒に観光に同行するパターン。
ホテルに待機する時は、何かあれば生徒がホテルに戻ってくるので、何もなければホテルで自由です!
ホテル待機の時は、私はここぞとばかりに読書に専念しています(笑)
観光に同行する時は、せっかくの機会なので一緒に観光を楽しみましょう!
先生の指示にもよりますが、特に指示がなければナースは最後尾から生徒の後を追う感じで同行した方が、全体把握がしやすいと思います。
処置をしたら、処置用紙への記載を忘れずに。
その際、生徒の名前を書く必要があるので、対応する際に生徒に名前を聞いておきましょう!
5)添乗中の食事
基本的には生徒と一緒に生徒と同じ物をいただきますが、別卓です。
先生と同席になったり添乗員の方の同席になったり色々です。
国内修学旅行の夕食時は生徒の食事後に先生方と一緒に、生徒とは別の食事メニュー(結構豪華なすき焼きだったり、懐石料理だったり♡)いただくこともあります。
6)宿泊ホテル
同行看護師が2名の時は同室になる場合もありますが、1人添乗の場合は1人部屋です。
当たり外れありますが、修学旅行の添乗でこんな素敵なお部屋に泊まらせていただけるのー♡っていう豪華なお部屋に宿泊できる時もあります。
林間学校ではホテルではなく保養所のようなところが多いので、タオルの設置がありません!
必ずタオルとシャンプー・リンス・ドライヤーを持参して下さい♪
7)添乗中の服装
どの会社もデニムや露出の多い服装などは禁止していますが、細かな指定はありません。
私の場合、国内の修学旅行や林間学校の際は動きやすさ重視で、黒orベージュ系のチノパン、上は無地のTシャツかブラウスにカーディガンで行っています。
困るのは海外添乗の初日…((+_+))
私の機内スタイルはお腹や鼠径が締め付けられない緩めワンピース。
長いフライトで、動きにくいブラウスやズボンは絶対無理!
だけど、添乗看護師さんが緩めワンピースで登場するのもちょっと…w
いっぱい考えた結果、地味な膝下ワンピース+カーディガンが海外添乗の定番ウェアとなりました(^^;
賛否両論ありそうですが、今まで指摘されたことはありません!
一緒に行く添乗員さんがキッチキチのスーツなので、私服そのものが少し浮きますが、若い先生は結構派手な上着やマキシワンピで来られたりもしていますよ♪
8)最後に解散式
無事全行程を終え、学校や空港、駅に着いた後、解散前に解散式が行われます。
出発式同様に先生の挨拶のあと看護師さんからひとこと!と振られます。
はぁ…(*´Д`)また苦手な挨拶…w
『皆さん、◯日間お疲れ様でした。大きなケガや体調不良等なく無事修学旅行を終えることができて、本当によかったと思います。先生方にもご協力いただきまして、この場を借りて感謝申し上げます。ゆっくり旅行の疲れをとって、また来週から残りの学校生活を楽しんでください!ありがとうございました!』
みたいな。
解散式でも当たり障りない最後の挨拶を行います(笑)
印象に残っている出来事などあれば、一言添えると先生方や生徒からの反応も良いと思います♪
9)担当の先生にサインをもらう!全ての書類を返却する!
ついついそのまま解散してしまいそうですが、絶対に忘れちゃいけないのがコレ!
業務終了書にサインをもらうこと。
ちゃんと先生のサインをもらった書類を会社に返送しないと、お給料がもらえません。。。
あと旅行のしおりをはじめとした全ての個人情報書類をすべて学校に返却すること。
この2つを確実に終えたら、最後に先生方に挨拶をして解散します。
10)提出書類のチェックと送付
処置記録や業務終了書、報告書(感想レポート的な)、交通費や建て替え料金の請求書など、会社から指定された書類の提出を期限内に行います。
以上が、ツアーナースのお仕事の流れになります。
結構盛りだくさんですよね(笑)
行けば行くほどハマるお仕事なのは間違いありません♪
この記事が、少しでも今後ツアーナースを始められる方の参考になれば幸いです。
ご質問等あればいつでもコメントに残して下さい('ω')ノ